2015年11月22日日曜日

151122 ALSO で学んだこと

  Advanced Life Support in Obstetrics(ALSO) 
http://www.oppic.net/item.php?pn=also_japan.php

麻酔科医としてもとても勉強になりました。
ぜひまた受講したいです。

手術室スタッフの立場としては
吸引分娩
肩甲難産
産後大量出血
のシナリオの中に「手術室スタッフに連絡する」
という項目があるので、これを理解することはとても大事なのだと実感しました。

151122 胎児モニタリング CEFM Continuous Electronic Fetal Monitoring

NICHD カテゴリーI II III
安心できるのはaccelerationあり、variavility正常

カテゴリーIII サイナソイダルパターン 反復するlate 反復するvariable 徐脈

2015年11月8日日曜日

151108 心血管系疾患合併妊娠

NYHA機能分類でclass II以下で通常妊娠が許可される
大動脈狭窄症やNYHA class IでもEFが低下していれば運動負荷試験を行う
マルファン症候群では上行大動脈格調系が40mmを超える場合には妊娠を避ける

妊娠中
原則として病態の変化がとらえられたら程度により週1-2回の健診
心不全症状やEisenmenger症候群では入院
感染やPIHは心不全の誘因となる

分娩時の対応
帝王切開の適応
上行大動脈径の拡大を伴うマルファン症候群
有意な大動脈狭窄症
高度肺動脈狭窄
Fonatan術後

心不全:心拍数が100回以上、中心静脈圧の上昇(>8mmhg)、呼吸数24/min以上で呼吸困難を伴う

2015年11月3日火曜日

151103 後産期出血におけるカテーテル治療

血管内治療IVR

全身状態が良くない場合のIVR実施中に注意が必要

経カテーテル的動脈塞栓術 transcatheter arterial embolization TAE
バルーン塞栓術 balloon occlusion

大腿動脈穿刺後にカテーテルを挿入
大動脈造影:出血点の同定

出血点が同定できなければ
責任血管へカテーテルを挿入し塞栓

出血点が明らかでない阿合は両側子宮動脈から塞栓

時間的余裕がない場合
子宮動脈の選択的塞栓が困難
子宮動脈塞栓によっても止血効果が得られない場合

両側内腸骨動脈前枝の塞栓

それでも止血が得られない場合

卵巣動脈
下腹壁動脈など外腸骨動脈枝からの出血を疑う


村越毅  日本の妊産婦を救うために2015 東京医学社

2015年11月1日日曜日

151101 緊急の輸血システム 施設内のシミュレーション

産科危機的出血時のシミュレーション

シミュレーションを行うことによって
輸血用血液製剤の発注や発送、クロスマッチなどの所要時間が明らかになる

緊急時には
クロスマッチを省略して同型血を輸血してよい
異型だが適合した輸血製剤を輸血してよい

輸血用血液製剤を血液センターに発注するのではなく、透析センターや救急医療機関から取り寄せる方が早いためそのような緊急輸血システムを検討している地域がある。

ドクターヘリに輸血用血液製剤を搭載して患者のもとに迅速に到着できれば輸血開始も早められるであろう。

照井克生 緊急の輸血システム 日本の妊産婦を救うために 2015 p152-156 東京医学社

http://www.tokyo-igakusha.co.jp/f/b/show/b01/789/bc01/4.html

2015年10月18日日曜日

151018 産科危機的出血 受け入れる側の立場

産科危機的出血ではSI>1ならば高次機関へ搬送を考慮する
SI>1.5なら高次機関へ搬送する

このガイドラインが広まれば、高次医療機関も受け入れる体制を強化する必要がある。



151018 産科大量出血のタイプ 産科DIC先行型

疾患:羊水塞栓
早期からFFPを投与すべき

151018 産科大量出血のタイプ 大量出血先行型

疾患:癒着胎盤、遺残胎盤
輸液やRBC輸血による希釈性の凝固障害の可能性
対応:晶質液や膠質液、RBC
必要に応じてFFP

2015年10月15日木曜日

151015 妊婦の気道ガイドライン

Mushambi MC
Anaesthesia. 2015;70:1286-306.
Obstetric Anaesthetists' Association and Difficult Airway Society guidelines for
the management of difficult and failed tracheal intubation in obstetrics.


http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26449292

2015年10月2日金曜日

151002 子宮内反症の分類

急性:分娩後24時間以内
亜急性:24時間以上、4週間未満
慢性 :分娩後4週間以上

外因性:分娩第三期の不適切な処置
内因性:何等かの原因で子宮筋が弛緩した状態となり発症

全身麻酔もリスク因子となりうる?

ニトログリセリン 50-100μg/回、効果不十分なら50-100μg/回ずつ追加投与

出血性ショックと疼痛や腹膜刺激による神経性ショック

151002 肺高血圧症と妊娠

20-60%の妊産婦死亡率
分娩後1週間の死亡率が高い
突然死、心不全、血栓塞栓症

平均肺動脈圧40mmHg未満では比較的母体予後がよい
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15994404

軽症例でも分娩後に心不全になる確率が30%
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19147605

タダラフィル、フローランの2剤を妊娠第1期に導入
タダラフィル:ホスホジエステラーゼ5阻害薬(PDE5阻害薬)
フローラン:プロスタグランジンI2

2015年10月1日木曜日

151001 アドレナリン

心肺蘇生:3-5分毎にアドレナリン1mg 原液1ml
アナフィラキシー:投与方法0.3mg (原液0.3ml) 筋注 より緊急性が高い場合は0.1mg(原液を10倍希釈して1ml)

心肺蘇生時とアナフィラキシーの投与量は異なる

151001 母体急変への対応の実際 京都プロトコール こたえ編

9つの具体例を提示している

1. 弛緩出血による出血性ショック
2. 後腹膜血腫によるs出血性ショック
3. 常位胎盤早期剥離
4. HELLP症候群
5.羊水塞栓症
6.肺塞栓症
7.抗菌薬によるアナフィラキシーショック
8. 子宮内反症
9.子宮破裂

151001 母体急変への対応の実際 京都プロトコール テーマ編

9つの具体例を提示している

1. 正常経腟分娩後に出血が増加した褥婦
2. 緊急帝王切開術後に激しい腰痛を訴えた褥婦
3. 陣痛室で急激な下腹部痛を訴え始めた妊婦
4. 陣痛発来後に痙攣と意識障害をきたした妊婦
5. 分娩進行に伴って息苦しさを覚え始めた妊婦
6. 帝王切開術後3日目に突然の胸痛と呼吸苦をきたした褥婦
7. 前期破水後の不穏な妊婦
8. 胎盤娩出直後に急激な下腹部痛と大量出血をみた褥婦
9. 分娩進行中にトイレから出てこれなくなった妊婦

母体急変時の初期対応 京都産婦人科救急診療研究会 メディカ出版

2015年9月27日日曜日

150927 京都プロトコール SIの落とし穴

SI>1かつ持続する出血があれば危機的状況と判断する

子宮内反症のように激烈あ腹痛を伴う場合は迷走神経反射で心拍数が低下する
(ショックが遷延すれば心筋虚血から心拍数低下から心停止になりうる)

大量出血にもかかわらずSIが1未満になることもある
SIは簡易的な指標

150927 母体急変時の初期対応:京都プロトコール

どうすれば急変か?

1.意識レベル低下
2.SI>1 かつ 出血持続
3.SI>1.5
4. SpO2<95 (room air)


150929 子宮破裂症状

胎児心拍モニター
遅発・遷延一過性徐脈
持続性徐脈
やがて胎児心拍が確認できなくなる

完全子宮破裂
破裂部の激痛
腹腔内出血によるショック

不全子宮破裂
silent raputuire 無症状
出血が広がり、広範な血腫を形成し出血性ショックに

子宮破裂部からの出血は腹腔内出血や後腹膜血腫として広がるため。外出血が少ない場合もある

内診
完全子宮破裂の場合は胎児の先進部が著しく上昇
胎児が完全に腹腔内に脱出した場合は、腹壁直下に胎児部分を通常より明確に蝕知する
その傍らに硬く収縮した子宮を触れる

母体急変時の初期対応
メディカ出版

150928 子宮破裂

完全子宮破裂:子宮漿膜面を含む子宮壁全層の裂傷ないし破裂
不完全子宮破裂:子宮筋層の全層または一部が断裂するも、子宮漿膜面には裂傷が及ばないもの

150928 産科肺塞栓症の予防

ヘパリンカルシウム 分娩後6-12時間から開始 5000単位を1日2回皮下注

クレキサン(エノキサパリンナトリウム低分子ヘパリン)
アリクストラ(フォンダバリヌクス 合成第Xa阻害薬)
分娩後24時間以上

抗凝固薬の変更時は両薬併用期間を設ける

ヘパリンやワーファリンは授乳中でも安全に投与できる


母体急変時の初期対応 メディカ出版より

150927 常位胎盤早期剥離

CTG cardio toco gram 胎児心拍陣痛図 reassuring fetal statusか?

典型的なパターンはない
低酸素やアシドーシスによる遅発性一過性徐脈や基線細変動の減少消失
遷延一過性徐脈
頻脈
サイナソイダルパターン:胎盤が剥離した際、胎児血が母体血に流入し胎児の失血が起こった結果、重度の貧血が起こり出現する
胎動減少
胎児心拍
胎動
子宮収縮:頻回のさざ波様子宮収縮、過剰収縮


2015年9月26日土曜日

150925 HELLP症候群による合併症

%
母体
子癇 4-9
早剥 9-20
DIC 5-56
急性腎不全 3-10
肺水腫 3-10
脳出血 1.5-40
肝被膜下出血・破裂 1.8
母体死亡 1-25%

胎児新生児
周産期死亡 7-34
胎児発育不全 38-61
早産 70
超早産 15
新生児血小板減少症 15-50
呼吸窮迫症候群 6-40

150926 弛緩出血の対応

血管確保
物理的刺激
子宮収縮薬の投与
双手圧迫
子宮内腔のタンポナーデ
開腹圧迫
内腸骨動脈結紮
compression suture
子宮動脈塞栓述
子宮摘出

2015年9月24日木曜日

150924 癒着胎盤に対する帝王切開術の麻酔管理例 癒着の可能性と輸血準備

癒着の可能性
低い場合 自己血 + RBC 10U + FFP 10U
高い場合 自己血 + RBC 20U + FFP 20U
術中に癒着が判明 RBC 20U + FFP 20U 術中オーダー



照井克生 基本編 麻酔が関連する妊産婦死亡 
日本の妊産婦を救うために 2015 東京医学社 から改変

150924 癒着胎盤に対する妊娠子宮全摘出術の麻酔管理

末梢静脈路18G以上
分娩室で硬膜外カテーテル挿入(下部腰椎)
アンギオ室で両側総腸骨動脈閉塞バルーン留置
子宮左方転位、血圧モニター、足趾のパルスオキシメーター(血流遮断の評価)、胎児心拍モニタリング
手術室、動脈ライン確保、中心静脈ラインは必要に応じて
輸血製剤確保
20万倍アドレナリン添加2%リドカインを3mlずつ硬膜外カテーテルから投与、合計12-20mlでT4レベルの麻酔域
尿管ダブルJカテーテル
両側足趾にパルスオキシメトリー
ACT
硬膜外カテーテルからフェンタニル50μgと生理食塩水9ml
区域麻酔下に帝王切開開始
児娩出後、状況に応じて全身麻酔に移行
硬膜外麻酔のみの場合には45分ごとに初回投与量の1/3から1/2を追加投与
胎盤剥離しない場合、子宮収縮薬は使用せず
靭帯処理がある程度進んだところで、総腸骨バルーンをインフレート
バルーン前にヘパリン3000単位静注
バルーン閉塞時間は最大1時間
子宮全摘後にバルーン閉塞解除
プロタミン
硬膜外モルヒネ3mg+生食10ml または硬膜外PCA

照井克生 基本編 麻酔が関連する妊産婦死亡 
日本の妊産婦を救うために 2015 東京医学社 から改変

2015年8月21日金曜日

150821 超緊急CSのチェックリスト

シミュレーションのチェックリストがよくできていたので改変してみた。
論文はシミュレーションのチェックリストではあるが実際に何をやるかを思い出すのに便利です。



Scavone BM
Development of an objective scoring system for measurement of resident
performance on the human patient simulator.
Anesthesiology. 2006 105:260-6.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Anesthesiology.+2006+%3B105%3A260-6.

150821  超音波ガイド下neuraxialブロック

血管穿刺や末梢神経ブロックのようにリアルタイムの描出では用いません
扱いにくい、清潔操作、ジェルの神経への混入の影響
針の刺入点、角度、硬膜外腔の深さを評価します

150821 超音波ガイド下neuraxialブロック

末梢神経ブロックほど超音波ガイドが有効とはいえませんが
手技直前の硬膜外の解剖の画像評価が有効な特別な状況があります。
重度肥満
側弯
脊柱管狭窄
脊椎の人工物留置の既往
特定の椎間レベルの同定が重要な場合:椎間板ヘルニア、根の圧迫など

2015年1月29日木曜日

2015年1月8日木曜日